|
今回は特別編として、読者の方から寄せられたご質問にお答えしたいと思います。
——————————————————————————-
加藤さん
『ChinaLOOP』、いつも楽しく拝読しております。
聞くところによると、ここ最近華南の自動車関連業界で、トヨタからの注文数量がかなり減少しているそうです。
トヨタとしてはきわめて異常な数字です。また同じ頃から、キャノンなど大手プリンタメーカーが下請け業者に出す注文数量も激減しているようです。
いよいよ中国バブルの崩壊がはじまったのでしょうか?
——————————————————————————-
加藤 鉱はこう答える!!
バブルとは崩壊が終わったときに初めて認識するもので、バブル崩壊の渦中に身を置く人間にはなかなか伝わらないものだということは、我々も何度か経験してきました。バブルピーク時の余韻が邪魔をして、現実に素直に目を向けられないからだ。これは一九九〇年初の東京や大阪も、アジア通貨危機に見舞われて不動産価格がピーク時の四割まで急落した香港もそうだったと思います。
それがそっくり当てはまるのが現在の上海不動産なのです。現在、上海には二十階建て以上の高層ビルが四千棟以上も建っており、その「数でニューヨークを抜いた」と言われていますが、先般鳴り物入りでオープンした上海浦東の森ビルが建てた九十九階建てのインテリジェントビルでさえ四割程度の入居率でしかありません。これはあきらかに供給過剰を示しており、手掛けた物件をすべて売り抜けてホクホク顔の外資系不動産業者はこう語っていました。
「そもそも上海の不動産バブルとは、開発用地に乏しい上海不動産に裁量権を持つ地方官僚とデベロッパーが組んだ腐敗の産物。加えて、彼らの同じ船に乗る現地メディアが不動産投機を煽り煽った。もっとも我々も儲けさせてもらったが、いまは実需のみ。香港の返還前も同じですよ」
アジアで活動する不動産投資の目利きたちは二〇〇五年を境に上海不動産から目立たないように手を引き始め、それまでは強気一辺倒の鉄火場相場であったのが一転、物件の最後の引き受け手が誰になるのかというババヌキ相場へと変わっていったと聞きます。現在、取引量は急減しており、アジア通貨危機直後の香港と瓜二つの状況にあるといいます。
目利きたちが引き揚げ、欧米不動産ファンドが最後のババを誰に掴ませるのかに血眼になっているときに、地元上海の投資家たちが、「上海万博が神風を吹かせる。上海だけは他の土地とは違う」と言わんばかりに強気に振舞っているのが興味深い。そこに、不動産バブルの洗礼を受けていないバブル処女の愚かしさを感じてしまいます。
ただ、なにもバブル崩壊は中国だけの話ではなくて、これだけマネーがグローバル化すれば、不可避なことなのです。
——————————————————————————-
お金とは生き物であるのか、どうも一ヶ所に留まっていることができないようです。
日本が平成大不況で蒙った経済的損失は、第二次世界大戦で失ったそれと同等であるという意見もあり、もしかしたら不況とは、形を変えた『焼け野原』なのかもしれません。
これからも、読者の皆様からのご意見を紹介させていただきます。どうぞ、『ChinaLOOP』に対するご意見ご感想をどしどしお寄せください。
|
›› コメントする »